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温泉 極楽 ゴ・ク・ラ・ク!!

カテゴリー:地域で医療する楽しさ 更新日時 2007/11/06

足寄町は温泉に恵まれた土地です。町内に泉質の異なる三つの温泉があり、周りの町も含めると、我妻病院を起点に半径60キロ内で八カ所の温泉に行くことが出来ます。
  というわけで、休みの日には日帰り温泉三昧でプチ旅行を楽しんでいます。今回もたまっていた疲労を解消すべく、11月3日は十勝川温泉、4日は士幌温泉 (士幌 道の駅)に出かけてきました。二つとも、足寄から40キロくらいの所にある、世界でも珍しい植物性温泉であるモール温泉はお肌がつるつるになるこ とから、美肌の湯ともいわれています。
 さて、脱衣所で服を脱ぎ、医者であることも忘れ、心も体も裸になって、湯船での~~~~んびり・・・・・すると声がかかりました。
「あっら~~~ 先生 こんなところで何してるの?」(もちろん風呂に入っています。)足寄から離れていても、患者さんと出会ってしまうのですね。そこで四方山話をし、さて体を洗おうかとしたら・・・・
「背中流してあげる。日頃お世話になっているし、こんなことでもなければ恩返しも出来ないし・・・」
 80歳を超える方に垢をこすらせるなど、畏れ多くて、とご辞退申し上げましたが、離してくれません。結局、有り難く流していただきました。
 ふと、こうやって背中を他人から擦ってもらうのはいつぶりかしら、と思いました。世の中が他人行儀になっていくとき、他人同士が裸になって互いの体を擦り合う、そんな暖かい時代は終わっていたと思っていました。
で も、ちょっと前だったんですね。人と人とが肩寄せ合って、支え合っていた時代は。そして、足寄という地域にはそんな人と人とのつきあいが残っていたんだと 思いました。ふと見るとまわりでも家族ではなさそうな人たちが体を擦り合っています。幸せな気持ちになりました。 ゴクラクだ~~~と思いました。
 温泉も極楽ですが、こうやって母ほどの人から温かな思いを込めて背中を流してもらえる自分がゴクラクだと思いました。Nさん、ありがとうございました。今度は私がお背中流しますね。

虹の根っこーー往診物語 2ーー 地域医療事始め75年

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