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生活習慣病管理料 始まる !

カテゴリー:クリニックのこと 更新日時 2024/06/06

 皆様が受けている医療の全ては「診療報酬」という名前で料金が決まっています。祖父の時代は通り相場で値段が決まり、払えなければ畑の作物で、とか秋の収穫まで待ってとかあったらしいけれど、国民皆保険が始まってからは一つ一つの医療行為一つ一つの薬の値段はすべて公定価格として決まっています。

 この医者は名医なので手術代が高いとかということもなく、新米医師が診察しても大学教授が診察しても同じ値段です。違うのは医療機関の規模で仕組みが異なることで、同じ診療行為でもお値段が変わることはありますが。          

 

 今回、いつも4月に実施される診療報酬改定が6月になり、私たちのクリニック的には大きな変化がありました。

「生活習慣病管理料」という名目が生まれ、糖尿病、高血圧、脂質異常症、といういわゆる「生活習慣病」に対する管理をより患者さん主体で行うような仕組みが変更創設されたのです。これは患者さん毎にその人の生活習慣のゆがみを確認し、改善していく取り組みを医師主導ではなく患者さんと協働して、むしろ患者さん主体で行っていこうという取り組みと私は理解しています。なので、そのために用意しなければならない書式を私は患者さんが主語になるように作り替えてお渡しすることにしました。

 一から書類を作り、そのことをご理解いただいてサインを頂く、という一連がこの診療報酬となります。お医者さん任せで、薬さえ飲んでいれば、好きなように食べても、運動不足でも健康が維持できるわけではありません。文字通りその病気は「生活習慣」のゆがみによって起こり、長い期間を経て「動脈硬化」が進行し、結果として「脳梗塞・脳出血」「心筋梗塞・狭心症」「腎不全」などの人生の後半になって生活を大いに傷害する疾患に見舞われることになります。そうはなってほしくないのです。

 日本という国はスゴイ国で、かなり前からそのことへの対策として「特定健診」を40歳以上の国民全員に実施してきました。国がお金を出してタダで血液検査をしてくれる国は他にはないと思います。自己責任だから、とほっておかない理由は、将来の医療費高騰につながるという危機感です。アメリカのように医療費が基本すべて自分持ちの国とは違って医療にかかるお金の7割以上が保険で払ってもらえる国民皆保険の国だからこそ、の大きな課題と言えます。

 国の思惑はさておき、私は患者さんと医療者(医師・看護師・薬剤師・理学療法士 そして医療事務)が力を合わせてそれぞれの健康について考え取り組めるクリニックがあれば、それは理想的なクリニックだと思うし、そうなりたいと思ってきました。

 困りごとや心配はもちろん健康に関するどんな小さなことでも、一緒に考え一緒に悩み、そしてうまくいったときには共に喜びながら日々の診療ができたらと願っています。

 そのきっかけにもなったらいいな「生活習慣病管理!」

 

「古希」なんですって?!

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