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介護療養型老健あづまの里は一歳になりました

カテゴリー:日々清々 更新日時 2013/04/17

 我妻病院が79年の歴史に幕を閉じて、在宅支援診療所ホームケアクリニックあづまと介護療養型老人保健施設あづまの里に変わってから、一年が過ぎました。外来部分はクリニックとして在宅医療に力を入れ、24時間あなたの家であなたを支える看護・医療に、病棟部分は医療から介護へつまりはキュアからケアへと変化したのです。この変化は福祉や介護への理解がある程度できていると自負していた私の経験智を大きく越える変化でした。

 患者中心医療をしてきたと言っていながら、どこかで命を救うためにというお題目の中で医療者中心であったのだなと反省させられることが少なくありません。

 たとえば、在宅で入浴をいやがる認知症の利用者さん。垢まみれ、洗ってあげなくては・・・・・。ほとんど無理矢理入浴介助、抵抗激しくけが寸前。本人のためならやむを得ない・・・と昔の私なら考えていたように思います。根っこには本人のためにすることは許される、とする医療者中心の、パターナリズムが染みついていたのだと思います。

 その良い例が拘束です。介護の世界では原則拘束は禁止。ミトンも介護衣も車いすの安全ベルトという名の拘束具も、もちろん手を縛るとか4本柵とかはありえません。でも、医療の世界では安全という錦の御旗で許されている行為です。私たちの病院では、病院時代からスタッフ主導で拘束は廃止されてきました。介護施設になってもその姿勢は変わりません。正直予想を超える反応で事故も起きたことありました。でも、だからといって後戻りすることはありえません。

なぜなら、それは高齢者の尊厳やQOLを大きく損なうことだということを日々のスタッフの仕事ぶりの中から医師である私が学ばさせてもらっていることだからです。

正直、一歳になったばかりの私たちの施設はまだまだ成長しなければならないことがたくさんあります。でも、日々成長していく施設でありたいと、スタッフとともに苦労をしていきたいと思っています。ごほうびは利用者さんたちの変化。うちの施設に来て、笑うようになった人、目線があうようになった人、しゃべるようになった人、歩けるようになった人、食べられるようになった人。要介護5や4の人たちの変化を捉えるのは難しいけれども、小さな変化を読み取って、その変化を達成感として読み取れる感性を磨き続けていきたいなと思っています。

一歳の誕生日を迎えた私たち。あらたな一年にむかって、がんばります。

 

何があっても、クリスマスは巡り来る 家で療養すること 家で死ねるということ

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