ナースブログ

成長するナースたち

カテゴリー:blogのこと 更新日時 2008/03/01

「指きりげんまん うそついたらハリセンボンのま~す」 ハリセンボンが実はハリセンボン科の硬骨魚で全身が鋭く長いトゲでおおわれた魚であることを知ったのはずいぶん大人になってからだった。
  ナースUさん、彼女の印象はまさにハリセンボンだった。その口からは容赦なくトゲのある言葉が飛び出し、全身から発せられるオーラは常に強い怒りに満ちあ ふれていた。時、場所、相手を選ばず。院長、婦長といえども変わることはなかった。そんなUさんではあったが、仕事や勉強会などは手を抜くことなく最後ま できちんと行っていた。腹は立つけどやることはやる、仕方ないね というのが周囲の反応だった。
4年前のある時、師長室で話をいていたUさんに 「こんな病院、いつでもやめてやるから!」と怒鳴られた。「ピキッ」。私の中で何かが切れた音がした。「いつ辞めてもらってもいいけど、このままのあなた を外に出すのは恥ずかしくて仕方ない。自分がどんな人間なのか、社会人として恥ずかしくない自分になってから辞めなさい」。というような事を言い返してい た。 Uさんは自分がすぐ感情的になり、怒りモードになりやすい事は十分わかってはいたが、そのことで周りをどれだけ傷つけていたか、そんな自分に周りが どれだけ気を使っていたか、さまざまな不満の原因が実は自分自身の中にあることに初めて気がついたようだった。
それ以来、ハリセンボンを全て自分 の内面に向けるようになった。まるで表と裏をキュッっとひっくり返したかのように…  自分の言葉、声かけ、態度が相手を傷つけているのではないか、自分 自身に怯えているように思えた時期もあった。敬語をきちんと使うことを覚え、怒りをグッと押さえ、自分の言い方が相手にどう思われるかを常に考えながら、 一日一日を乗り越えてきた。面接の自己評価が「1」から「3」「4」が増えてきた昨年、ある主任から「外来で患者さまと対応している姿がビックリするほど 優しくて。成長したね~」としみじみ言われた。やることはきちんとやる、やると決めたこともきちんとやる。彼女はその厳しさを他人へではなく自分に向け始 めたとき、「もうこれからは人を傷つけない」と、きっと自分自身と指きりげんまんしたんだろうな。
 今年も3月から個人面接開始です。私も頑張らなくちゃ、スタッフに追い越されないように。

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